スイスの伝統菓子「エンガディナー・ヌストルテ」について、概要や歴史、カロリー、レシピ、人気店などをご紹介いたします。
目次
スイスの伝統菓子「エンガディナー・ヌストルテ」とは?
エンガディナー・ヌストルテ(Engadiner Nusstorte)とは、スイスのグラウビュンデン州を発祥とする甘いカラメルナッツ(主にクルミ)入りのペイストリー。
キャラメルを入れて煮詰めたクルミをバターを練り込んだ生地で包み込んで成形されます。
別名として、ビュンドナー・ヌストルテ(Bündner Nusstorte)や単にエンガディナーとも呼ばれます。
詳しくは、郷土菓子に詳しい林周作氏が世界各地を食べ歩いて執筆したこちらの本に記載されています。
よろしければ参考にしてみてくださいね。
エンガディナー・ヌストルテの語源
エンガディナー・ヌストルテのエンガディナー(Engadiner)は、〝エンガディン〟というスイス・グラウビュンデン州の地名、ヌストルテ(Nusstorte)はドイツ語で〝クルミなどのナッツ類を使ったケーキ〟という意味です。
別名のビュンドナー・ヌストルテ(Bündner Nusstorte)も同様に、〝グラウビュンデン州のナッツケーキ〟という意味で、地名からとられたネーミングです。
エンガディナー・ヌストルテの歴史
フランスに住んでいたパン屋さんがナッツの木をスイスに持ち帰ったことが起源?
スイスのグラウビュンデン州は、もともと気候が寒冷のため、エンガディナーの主要な原料であるナッツを育てることができませんでした。
一説では、19世紀にフランスに住んでいたパン職人がグラウビュンデン州にナッツの木を持ち帰って植えてことが起源とされています。
また別の説では、フランスやイタリアに出稼ぎに出たスイスの菓子職人が現地でナッツをクッキー生地に練り込んで開発したことが発祥とされています。
いずれにしても、スイス外の西洋の他の国でのナッツとの出会いに端を発しているのは間違いなさそうです。
現在のエンガディナーの形になったのは1926年
19世紀から20世紀初頭にかけては、ナッツは生地に練り込まれているのが主流でした。
1926年に、グラウビュンデン州のパン職人がキャラメルを入れて煮詰めたクルミ(フィリング)を生地で包み込む製法を開発し、現在のエンガディナーが定着したとされています。
ちなみに、西欧ではパンとお菓子には密接な関係があり、区別されないこともあります。グラウビュンデン州では現在もパン屋さんでエンガディナーが販売されていて、エンガディナーが総売上高の20~40%を占めると言われています。
エンガディナー・ヌストルテのカロリー
エンガディナーの平均的なカロリーは、100gあたり500Kcal前後が一般的なようです。
(※以下は、KALDIと無印良品で販売されていたエンガディナーのカロリー数値です)
KALDI | 20gあたり99Kcal |
無印良品 | 64gあたり330Kcal |
通常のクッキーが100gあたり430Kcal程度ですから、キャラメルやナッツが入っているぶん少し高カロリーということになります。
カルディやファミマ、無印で買える? 人気の「エンガディナー・ヌストルテ」・5選
ここからは、定番人気の「エンガディナー・ヌストルテ」を5つ厳選してご紹介いたします。
1.【カルディ】くるみとキャラメルのクッキー エンガディナー 4個入:税込388円
KALDI COFFEE FARM(カルディ コーヒー ファーム)の「くるみとキャラメルのクッキー エンガディナー」は、ひとくちサイズのエンガディナー(4個入)。
2023年2月時点ではカルディの公式オンラインショップで販売されていますが、「在庫なし」となっています。
店頭に置かれている場合もあるので、お近くのカルディで見つけた際はぜひチェックしてみてくださいね。
2.【無印良品】エンガディナー 8個入:税込250円
無印良品より販売されているエンガディナーもカルディ同様にひとくちサイズ。
こちらは、無印良品の通販サイトにて販売されています。
口コミでは、次にご紹介する鎌倉紅谷の「クルミッ子」という商品と似ているとのことですので、気になった方はぜひそちらも試してみてくださいね。
3.【鎌倉紅谷】クルミッ子 10個入(限定缶):税込3,880円
鎌倉にお住いの方には馴染み深い鎌倉紅谷の「クルミッ子」。
自家製のキャラメルが使用された、ぎっしりとクルミが詰まったエンガディナーです。
いくつかバリエーションがあり、5個入・8個入・16個入なども販売されています。
詳細はこちらからチェックしてみてくださいね。
4.【洋菓子店カサミンゴー】最高級洋菓子 エンガディナーはちみつとクルミのタルト 直径16cm:5,184円
洋菓子店カサミンゴーは、長野県にある洋菓子宅配専門店。
こちらは、フランス産の最高級ハチミツ「フランボワーズ」が贅沢に使用された甘さ控えめのエンガディナー。
直径16cm・18cm・25cmの3サイズが展開されています。
amazonでも販売されているのでチェックしてみてくださいね。
5.【ホレンディッシェ・カカオシュトゥーベ】エンガディナー 9個入:税込5,390円
期間限定で新宿伊勢丹でもかつて販売されていた、ホレンディッシェ・カカオシュトゥーベのエンガディナー。パティシエをデフォルメした可愛らしいパッケージが特徴。
くるみ入りキャラメルをサンドしたプレーン味と、アーモンド入りコーヒーキャラメルをサンドしたココア味の2種類のバリエーションが展開されています。
amazonでも購入できるのでぜひチェックしてみてくださいね。
エンガディナー・ヌストルテのレシピ・作り方
こちらでは、エンガディナー・ヌストルテの簡単なレシピをご紹介します。
用意する材料はこちら。
- バター(200g)
- 砂糖(生地用:120g/フィリング用:200g)
- 小麦粉(300g)
- 塩(少々)
- 卵(1個)
- 生クリーム(200ml)
- くるみ(300g)
- はちみつ(大さじ5杯分)
- オーブン用の円形のケーキ型
以下がレシピです。
- 小麦粉300g、砂糖120g、塩少々、カットしたバター200gをボールに入れ、よくこねます
- ボールに卵を加え、さらにこねて生地を作ります
- 生地をラップに包み、1時間冷蔵庫で休ませます
- 鍋に砂糖200gを入れて液状になるまで煮詰め、生クリーム200mlを加えてかき混ぜながらさらに煮詰めます
- 鍋が沸騰してきたところで、くるみ300gとはちみつ大さじ5杯分を入れ、混ぜ合わせてフィリングを作ります
- 冷蔵庫から生地を取り出し、薄く伸ばしてオーブン用の円形のケーキ型に貼り付け、さらに1時間冷蔵庫で休ませます(※下の動画0:55~を参照)
- 「5.」で作ったフィリングをケーキ型に敷いた生地の上に広げ、生地でフィリングを包み込むようにします
- 200℃に設定したオーブンで、25~30分焼きます
- 焼きあがったら2時間冷まし、カットして完成です
以上の過程が、下の動画で解説されています。
(ドイツ語ですが、簡単な作業ですので上のレシピと併せてみていただければ理解いただけると思います)
いかがでしたか?
日本ではあまり馴染みのないエンガディナー・ヌストルテですが、実はカルディや無印良品など大手チェーン店で販売されていたこともあるお菓子です。
キャラメル&クルミという幅広い方が好きな味。ぜひ一度試してみてくださいね。