ドイツ東部の郷土スイーツ「アイアシェッケ」について、概要や由来、レシピ、バリエーション、チーズケーキとの違いなどについてご紹介いたします。
目次
アイアシェッケとは
アイアシェッケとは、ドイツのザクセン州やテューリンゲン州で主に食べられる3~4層で構成されたベイクドチーズケーキのこと。
アイアシェッケは地方によりいろいろなバリエーションがありますが、一般的にアイアシェッケと呼ばれるものは、ドレスデン(ザクセン州)のものを指します。
ドレスデンの伝統的なアイアンシェッケは、上層が卵やバニラプリン、バターで、中間層がクワルク(Quark)を含んだカスタードクリームで、ベースがイースト生地(酵母入りの生地)やスポンジケーキで構成されます。
クワルクとは、ドイツのフレッシュチーズのことで、通常のチーズよりカロリーが低く、タンパク質を多く含むのが特徴。
その他、レーズンやアーモンド、シュトロイゼルをトッピングするなど、いくつかバリエーションがあります。
焼きあがった後、長方形の断片にカットされ、コーヒーとともに提供されるのが一般的です。
アイアシェッケの語源と由来
一説によると、アイアシェッケの由来はシェッケ(Schecke)と呼ばれる14世紀の男性服にあるとされています。
男性服のシェッケとは、画像のようなウエストの細いミディアム丈のチュニックのこと。上部・ベルト・下部の3層構造が似ていることから、ドイツ語で〝卵〟を意味するアイア(Eier)にシェッケ(Schecke)がついてアイアシェッケ(Eirschecke)と呼ばれるようになったと言われています。
またドイツ語でシェッケ(Schecke)は〝まだら〟を意味する言葉で、焼いた後のアイアシェッケの表面がまだらになることからそう呼ばれるようになったという説もあります。
アイアシェッケのバリエーション
上でご説明した通り、アイアシェッケにはトッピングによりいくつかバリエーションがあります。
ドレスデン風とフライベルク風のレシピの違い
アイアシェックとは、一般的にはドレスデン風のものを指すと述べましたが、フライベルク風のアイアシェッケも有名です。
(ちなみに、どちらもドイツのザクセン州にある都市です)
フライベルク風アイアシェッケのレシピには、材料にクワルクが使用されないのが特徴です。
一説によると、13世紀のフライベルクでは、クワルクは市壁の接着剤として使用されていたそう。そのため、お菓子の材料としては使われなかったそうです。
フライベルク風アイアシェッケのレシピにはクワルクが使われないため、風味を出すためにドレスデン風よりも多めの卵や砂糖が使われます。
画像のように、ドレスデン風と違ってクワルクによる白い中間層がないのが特徴です。
いかがでしたか?
日本ではあまり馴染みのないアイアシェッケ。通常のチーズケーキとの違いは、3〜4層になっている点(通常のチーズケーキは、クッキー生地と上層の2層が主流)と、ドレスデン風ならクワルクが使用されている点です。
ドイツ東部に行かれた際は、ぜひ現地で食べてみてくださいね。